坂本龍一の作曲技法から見た印刷

2008年3月15日 11:39 トラックバック(0)
sakamoto.jpgやっと届いたので、ご紹介に預かりたいと思う。
tong pooの連番バージョンの楽譜がコレにしか載ってないっぽげだったので、とりあえず買ったのだが、今回はピアノネタの話ではない。雑誌のクオリティの話だ。

この坂本龍一の作曲技法という本、発売は2002年の物だそうだが、今から6年ほど前になる。実はこの頃は丁度小生が印刷屋で働いていたときなのだが、印刷媒体への表現において最も大事なこととは何だろう?
もちろん大事なことはいくつも挙げられるだろう、CMYKの色相調整、CTP処理、版面に傷か付かないか、納品形態は大丈夫か、サイズは、ドンデンは。
一昔前はインターネットなど小生、高校の授業でくらいしか触らなかったので何も考えず印刷のバイトをしていた。その作業工程は完全にルーチン化していた、たまに面白い広告媒体に出会い、印刷を手伝うこともあったのだが、そもそも広告手段=印刷という図式が当時はほぼ成り立っていたので、まぁ正直仕方ないといえばそうなのかもしれない。

だが、近年は違う、広告媒体として紙に次ぐ勢いのWebという概念が生まれてきた。
そこで同じくして一つの思想が考慮されるようになった。

「そもそも、この広告はなぜ「紙/WEB」じゃないといけないのか?」

という議題が近年になってよく耳にする。

ある人は、「紙媒体は一度印刷して期間が過ぎれば終わりじゃないか!そんな広告媒体に数百万もかけるならWEBにかけやがれ!」と罵倒を浴びせる。

ある人は、「紙媒体は100年以上の歴史があるんだぞ!人類がこれまで築いてきた紙という媒体だからこそ、人が実際に触れるものだからこそ芯に人の心に伝わるんだ、ぼけぇ!」といいたい放題言う。

どちらも意見としては成り立つと思うが実際に印刷とWEBと両極端の業界を行き来したから言えるが、両媒体には多方面のいいトコがある。

WEBに関してはこのブログを見ているユーザーさんならどれだけWEBから得る情報量が新鮮で有意義か、そしてデザイン性の高いWEBから受ける印象がどれだけ強いかは言うまでもないと思う。

そして印刷について良い例だと思う本や雑誌は色々ある、pen、graphic、archive、どれも小生が好きな広告雑誌だがとても面白いし、この類は紙媒体で従来の見せ方がうまいからこそ意義があると思う。
それに加えてとても良い例だと思ったのが今回ご紹介する「坂本龍一の作曲技法」だ。

表紙は質感に凸凹を加えた特殊加工を加え、紙はマット系だろうか?しっかりとした丈夫さを保っている。
それだけではない、中身のレイアウトや表現手法、文字間、行間に到るまで、まるで近年のクオリティの高い雑誌や本に引けを取らない。
裏表紙を見て「2002年出版」と見たときには非常に驚いた。
まだ「紙しか広告手段がないから」ととりあえず広告は印刷を該当させていた時代、印刷屋にいたからなおさら驚いたのだが、その時期時代背景でここまでクオリティの高い雑誌があったことにちょっと驚いた。

こういった質感、紙じゃないと伝えにくい情報(楽譜とかそうだ)そういった物がどういう感性をもって人に伝えることが出来るのかをこの雑誌から見て感じて欲しいと思った。
小生の文章力じゃこの感動を伝える術は「実際に見てくれ」としかいえないが、WEB屋でピアノが好きだったら是非お勧めする一冊だ。さぁ、中古本屋へ。
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